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1:ネタデス@\(^o^)/:2017/10/16(月) 13:03:24.73 ID:CAP_USER9.net
ミッツ・マングローブ「保毛尾田保毛男を狩る、分別できない人たち」
2017.10.15 11:30

ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載
「アイドルを性(さが)せ」。今回は「保毛尾田保毛男」騒動を取り上げる。

*  *  *
 
ここまでくると、もはや『時代錯誤なホモやオカマ』は存在自体が差別なのでしょうか?
表面的な配慮をしてくれる世間に恩義を感じながら、当事者同士も『裏切り者』にならないよう気を遣い合う。
なかなか窮屈な世の中になってきました。28年ぶりにブラウン管に帰ってきた保毛尾田保毛男ちゃん騒動を
目の当たりにして、ずっと悶々としてた今週。

『ホモやオカマはNGでゲイやオネエはOK』なんて、いったい誰がいつ決めたことなのか?
「あの人“こっち”らしいよ」と手を口の横で裏返すジェスチャーや、オネエが出るとひとつ覚えのように
『カーマは気まぐれ』をBGMにする演出はよくて、何故『保毛男』ちゃんはダメなのか?
過剰なほどの自重と、善意という名の偏見に塗れ、いよいよ日本も行間や心の読めない単細胞国家になってしまった……。
そんな気さえします。差別や区別にも『分別』があって然るべきでしょう。
『分別』というのは、無数のグラデーションの中で、その都度その都度『判断』をすることです。
それが道徳であり、秩序なのだと思います。

とはいえ、ものの感じ方・受け取り方は人それぞれです。目にゴミが入っただけでも死ぬ思いをする人もいれば、
ウンコを踏んだことで人気者になる人もいます。中学生だった私にとって保毛尾田保毛男は、
まさに『自分のデリケート・マターに風穴を開けてくれたウンコ』みたいな存在でした。
もちろん皆が皆そうではないでしょうし、嫌な記憶が蘇ってしまった人もいたかもしれません。
それでも、過去を持ち出して今を否定するのは、いささか『男らしくない』感じがします。
これは、生まれながらにホモだった私にとって、今も昔もいちばん言われたくない言葉です。

岸田今日子さん演じる『お姉様』の愛情をたっぷりと受け、上品にお洒落に生きていた保毛男ちゃん。
当時私も、同級生から「お前もホモなの?」と訊かれた際には、「それはあくまで噂でございます」と
答えられるぐらいの優雅さを持とうと思ったものです。
この切り返しの感性こそが、『踏んだウンコを好機に変えられるかどうか』のサバイバル力なのだと思います。
しかしながら、中学生がその機転と勇気を持つのは難しかったことも事実。それでも私は陰口を叩かれるより、
たとえ揶揄やからかいだとしても、正面切って『ホモ』だ『オカマ』だと言われ、それに立ち向かう方が
『男らしい』と判断する子供でした。故に、保毛男ちゃんは、私にとって『アイドル』に成り得たのかもしれません。
あくまで、『そういうホモもいる』という一例ですが。

何はともあれ、『差別的なものに蓋をする』だけでは、何の意味もないことにそろそろ気付かないと。
『多様性への理解と配慮』なんて聞き分けの良さそうな言葉を軽々しく口にするのなら、
『普通じゃない人が隣にいる違和感』を、自分なりに分別し咀嚼する感性をもっと尊重し、磨かないと。

あなたの周りにも保毛男ちゃんはたくさんいます。それはあなたの友達かもしれない。家族かもしれない。
同僚かもしれない。良い人かもしれない。嫌なやつかもしれない。誰より、それはあなた自身かもしれない。
そして、何より愚かで恐ろしいのは、「自分は普通だ」と信じて疑わない傲慢さや鈍感さなのではないでしょうか?

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