1:シャチ ★:2017/01/03(火) 21:04:33.02 ID:CAP_USER9.net
男ならカワサキに乗れ-。ライダーが1度は耳にするこの言葉通り、骨太なイメージを持つ川崎重工業の二輪車事業が大きく変化している。
昨年から国内販売店網の再編に乗り出し、同社の二輪車ブランド、カワサキを扱う専売店を増やして顧客の間口を拡大。
店内にはおしゃれなライダー用衣類やオリジナルブレンドのコーヒーなどを用意し、
バイク好きのみが集うイメージから脱して幅広いファンの獲得を目指している。

 昨年11月2日夜、東京・南青山にあるイベントスペースで、カワサキを専売する「プラザ」店の刷新を祝うパーティーが開かれた。
「1日限りの0号店」と称した会場には二輪車展示と並び、ファッション誌に載るようなライダー用衣類を着けたマネキンが置かれ、
すがすがしい香りの演出も施されていた。

 ファッションブランド代表らによるトークショーやロックバンドのライブも開かれ、従来と大きく異なるイメージに驚かされた。
川崎重工子会社、カワサキモータースジャパンの寺西猛社長は、「カワサキのお店は“濃い”利用者が多くて入りづらそう、
という印象を変えたいと思った」と話した。

 寺西氏が語るようにカワサキはホンダなど競合メーカーと比べて熱狂的なファンが多い。排気量750ccの「ZII(ゼッツー)」と
通称で呼ばれる代表車種は簡素ながら流れるような車体デザインや、渋い色使いが人気を呼んだ。昭和40~50年代の
販売だが、ある中古車販売サイトではいまだに約150万~450万円と新車を上回る額で取引されている。

 男らしいイメージから不良マンガにも頻繁に登場し、伝説の不良が型破りの教師として活躍する作品『GTO』の主人公、
鬼塚英吉の愛車としても知られる。

 ほかにも、「男ならカワサキに乗れ」の由来となる宣伝コピーがついた「ゼファー」など名車は数知れない。
主婦らに人気だった50cc以下の原付きスクーターをつくらず、大排気量が中心のラインアップも骨太な印象をより強くした。

 近年は主力のスポーツ車「ニンジャ」シリーズが安定した人気を誇る。その結果、川崎重工の二輪車を扱う
「モーターサイクル&エンジン」事業は平成27年度の営業利益が157億円で、売上高に占める利益率は4.7%と堅調に推移している。

 ただ、おひざ元の国内市場の縮小は激しい。27年の国内市場は約37万台となり、ピークの昭和57年に記録した
約328万台から9割近く縮小。ホンダとヤマハ発動機は不採算の50cc以下の原付き事業で業務提携を検討するなど
各社は戦略の見直しを迫られている。

 川崎重工も昨年6月、カワサキの専売店「プラザ」店を現在の6店から31年度に20倍の120店に広げる方針を発表した。
32年度からプラザ店はファンの多い大排気量を中心に全車種を扱う一方、ホンダなど他ブランドも扱う販売店は
排気量400cc以下の車種に限定して差別化。専用の店内音楽やコーヒーを提供してブランドのイメージを伝え、
幅広い顧客との接点として活用する。

 さらに、ライダーと対話して感情などを読み取り、助言する人工知能(AI)を使った二輪車の開発にも着手する。
最先端技術を使うことで、「単なる移動手段ではなく、ライダーが操る悦びを味わうためのマシン」(同社)にすることで顧客を広げる考えだ。

 川崎重工は30年度にモーターサイクル&エンジン事業の営業利益を210億円、利益率は6.0%まで引き上げる目標を掲げる。
骨太なブランドイメージに、おしゃれや最先端技術のスパイスを加え、ファンを広げることができるかどうか。
今後のカワサキに注目したい。(経済本部 会田聡)

産経新聞 1/3(火) 15:15配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170103-00000517-san-bus_all
画像 「ZII」と呼ばれるカワサキの代表車種「Z750 FOUR」の中古車は高額で取引されている(写真:産経新聞)

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